厨房の油分にお悩みは多いものです。
「厨房の床が滑る」
「厨房作業室の外に、靴についた汚れが持ち出されている」
「朝入ると、空調を動作させるまで厨房内が臭い」
「害虫(ゴキブリなど)の発生が止まらない」
どんなお困り事も、ある一つの要因により発生している可能性が高い問題です。
これは、厨房と切っても切れない関係にある「油分」に起因するものなのです。
今回の記事では、この油分について詳しく深堀りしていきます。
油分はどうやって広がるのか
まず、毎日清掃をしているはずの厨房に、どうしてこうも油が広がっているのでしょうか?
その1「調理で跳ねた油が床に落ちる」
家庭でも、フライパンに肉をのせて調理しただけでも、周りに油分は飛ぶものです。
少ない量を調理する家庭での揚げ物でも油分が飛散するのです。
それに対して、一日に大量の揚げ物や焼き物を調理する飲食店・総菜加工場・食品工場はいったいどれほどの量の油分が飛散しているのか…。
場合によっては、揚げカスを落としたりすることもあるでしょう。カラアゲなど調理中に揚げ網から逃げ出す物の筆頭です。
また大量に調理を行うという事は、フライ返しなどの調理器具も作業場の上を行ったり来たりすることになります。こ
ういった調理器具から滴る油というのも、作業員の動線に沿って油の道を作ることになります。
「油煙」の存在を無視することは出来ない!
家庭のキッチンにもコンロの上には、ダクトや換気扇が付いています。
業務用の厨房にはさらに大型で強力なダクトが付いていることが多いです。
そんなダクトを以てしても、全ての油煙を排出することは叶いません。エアゾル化した油分は、室内の空気に乗って循環し、様々な場所に付着していくのです。
それだけ油煙は強力すぎるものなのです。
その2「油分の散らばり」
これもシンプルで、汚れを広げていくのは作業にあたるスタッフの靴です。作業場所によっては、カートやキャリアーといった台車のタイヤが汚れを引っ張って広げていきます。
作業の都合上避けては通れないもので、これを解決するには大量に吸水性の高いマットを敷き詰めるか、作業者の動線を区切って完璧に分けるなどの必要になります。
自動車工場のベルトコンベヤー作業のように出来るならば解決するかもしれませんが、限られた設備とスタッフの中で様々な調理を行う飲食店・食品加工所では難しい問題です。
日々の営業の中で、「油分の拡散」は避けては通れないのです。
そして、拡散した油分は、一日の業務が終わった後にスタッフもしくは清掃業者の手で「洗浄」され、次の日の油分に備える事となるのですが…
ここで終わらないのが油分の恐ろしい点、「定着」という結果
毎日の清掃の中で、飛散し拡散した油分は除去されている…と厨房を知らない人は思うかもしれません。
しかし、長く勤めているスタッフの方や店舗設備を担当されている方は拡散した油分の洗浄がどれほど難しいかを知っているのです。
まず、普段厨房内で行われる床清掃というのは、目で見える部分・スタッフが移動する部分のブラシ掛けが一般的です。
洗剤を撒き、油分を浮かせながら泡立てて、擦った後に水を流す。この清掃方法以外には無いというほど一般的な清掃方法です。
この清掃方法を長く続けた場合にどのような結果が生まれるのか?
ブラッシング清掃や電動ポリッシャーの清掃は、間違いなく床面の油分を除去していきます。ただし、見える範囲であり、しかも洗いやすい場所に限りですが。
清掃に関わるスタッフの質とその日のメンバー・繁忙期であるかそうでないか。
たまたま忙しい日で床清掃をサッと終わらせてしまうかもしれません。
目に見える汚れの箇所だけをブラッシングし、それ以外の場所は水を流すだけかもしれません。
洗剤を撒く量が足りず、油分を浮かしきれるだけの濃度が足りずブラシで油を拡げているだけかもしれません。
こういった日々の中での「落ち切らなかった油分」が幾重にも重なり、靴やカートで再度広がっていく事となります。
また、ブラッシング清掃後に行う水流しも、「油分の定着」の要因となります。
水流しが油分定着の原因??
通常、ブラシで擦り洗いを行った後の水流しは、通路から作業台の下に流れ込むように行っている場合がほとんどです。
ホースで水を撒く・バケツで水を流すなど方法は様々ですが、壁から水を流すといった方法を取っているケースはほとんどありません。
これはつまり、通路の油分を洗剤で浮かせ、それを厨房機器や作業台の下に押し込んでいるのと同じなのです。
もともと洗剤で浮かびあがった油分です。浮かびあがっているだけで、消えているわけではありません。
それが目の届かない場所で乾いて床面に蓄積していきます。一日二日ならばたいした量ではありません。しかし、毎日の積み重ねが一か月、一年、五年…と過ぎたとき、そこにあるのは腐敗し悪臭を放つ大量の油分の堆積物とそれを餌とする害虫の巣なのです。
この油分の堆積物は、もともとブラシの届かない場所なので清掃する事も叶いません。
多大な労力を掛けて厨房機器を退かしても、ブラシでは一瞬で目詰まりして清掃する事もできません。
必要なのは、強力な大量のアルカリ洗剤と、土木用スコップと園芸用ショベルです。
油分の広がりと定着をどのように防ぐのか
拡散を防ぐには先にもご紹介したように、大量のマットを高頻度で交換するか、スタッフの動線を区切って意図しない場所への油分の持ち運びを行わない事です。
大量のマット交換はコストに関わってきますし、動線の区切りはスタッフの作業効率や調理作業場の作りを考えると、大規模な食品工場やセントラルキッチンでもない限り難しいでしょう。
定着を防ぐにはとにかく清掃を徹底的に行う事です。ブラシが入るようにすべての厨房機器の足を高くする、または移動出来るように壁への固定を行わないなどの方法があります。
衛生に気を遣う食品工場などでは、毎日数時間を清掃に充てていることもあります。
油分の拡散と定着はどこでもあり得る事であると同時に、適切に対処しようとすると多量のコストと労力が掛かる案件となってしまうのです。
低コストで楽に油分に対処するには、どんな方法があるのか?
ここでもう一度、油分の拡散と定着の理由について振り返ってみます。
「拡散」は毎日の作業で発生した油分が、人の足やカートにくっついて拡がる。または油煙となって作業室全体に拡がる。そして、毎日の色々な事情で清掃しきれなかった分が、翌日さらにどんどん拡がっていく。
「定着」は取り切れなかった油分が少しずつ固まっていく。目に見えない場所・清掃し辛い場所に残った油分が時間を掛けて溜まっていく。
つまり、毎日目の届かない厨房機器の下からすべて洗浄して、しかもスタッフの質や繁忙期などの要因にも寄ることなく清掃動作を行う事が出来れば……。
油分の除去に特化したお掃除道具「アワシャー」は力になります。
『床面自動泡洗浄システム アワシャー』
アワシャーは、毎日大量の調理を行う食品スーパーの総菜室の洗浄を行う事を目的に開発された清掃設備です。
厨房を囲むように設置された専用配管から、油分に対し効果の高い専用洗剤を泡の状態で吐出することにより、厨房設備の下から全て泡洗浄する事が可能です。
泡となった洗剤は、勾配によってじわじわと進みながら床面の油分を浮かびあがらせることができます。
油分を浮かせた泡も、流さなくてはその場に戻ってしまいます。ですが『アワシャー』は、泡を吐出した配管からそのまま同様に水洗用の水を流すことが出来ます。
つまり、壁際から厨房の中心に向かって水を流し、汚れを集めることが可能となるのです。
その場の状況に合わせたタイマー設定により、スイッチを入れるだけで床面の洗浄をスタートします。
誰がスイッチを押しても変わらないので、スタッフの質・人数に寄る事無く一定の清掃を行う事が出来ます。
泡の状態で散布されるため、洗浄した箇所が視覚的に分かりやすく、また濃度も一定となり油分を確実に浮かすことが出来ます。
壁から中央に向かって発泡・水洗を行うので、見えない箇所に油分が溜まることもありません。
床清掃に関わる人的コスト低減と清掃品質の向上を同時に行う事が可能となる『アワシャー』。ぜひ一度お問い合わせ下さい。